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        2013-01-22       東京無人島群・豆南諸島の魚類相と生物地理

孀婦岩

昨日の日記に続き先日の話になるが、都内某所にて、天皇陛下の前で研究発表を行ってきた。
残念ながら写真はない(撮るのはもちろんだが、その使用にもすべて宮内庁の許可が必要になる)。

陛下の前で発表を行うのは学生時代から数えて今回で5回目であるし、特に緊張はしない。
まぁもともと緊張する性格でもないし。
ただ、当然ではあるが失礼のないようにしなければならない。

今回の発表題目は記事タイトルの通り、「東京無人島群・豆南諸島の魚類相と生物地理」。
2010年と2012年に行った豆南諸島採集調査について、発表45分・質疑応答15分のプレゼンをした。

べヨネース列岩・須美寿島・鳥島・孀婦岩からなる豆南諸島を詳しく紹介し、この海域を研究する意義、
どういう目的で私が調査を行ったのか、どのような魚類が採集できたのか、
それをもとにどのような研究を行いどのような結果が得られたのかなどを、たくさんの写真を交えながら紹介した。
反応は上々で、陛下からいろいろとご質問もいただいた。

その後、別室にて30分間のお茶会。
珈琲を飲みながらここでも豆南諸島の魚についての話をさせていただいた。
孀婦岩で見た電話ボックスサイズの巨大なサメの話にはかなり驚いておられた。

陛下には「面白かったですよ」との感想をいただいたが、パワーポイントファイルは数日間で作ったのでちょっと準備不足だったかな。
話すのはまったく問題なかったが、もう少し準備時間があれば、プレゼンの構成をもう少しスマートにできた気がする。
そうそう、豆南に行く際に船を出してくれた八丈島の赤間さんの写真もプレゼンの中で出したので、赤間さんもきっと喜んでくれるだろう。

孀婦岩のイソマグロとサメ

決して忘れない、忘れられない、孀婦岩で見たあの衝撃の光景。

レギュラーサイズで30kgクラス、大きいものでは50kgオーバーのイソマグロが数百匹、渦を巻いている。
1個体、飛び抜けて大きい個体がいる。3m近くあるだろうか。確実に100kgは超えている。

そしてその下に、何やら違う魚がやはり数百匹、渦を巻いている。
サメだ。
ガラパゴスザメ、クロトガリザメ、ドタブカなど、メジロザメ科の危険なサメたち。
小さいのから大きいのまでいるが、ここでもやはり1個体だけ飛び抜けてデカイ。あのイソマグロより更にデカイ。
電話ボックスサイズ、ハイエースのスーパーロングのようなサメだ。

小笠原・嫁島と巽島のマグロ穴でイソマグロの群れは見ているが、これほどの数のイソマグロの渦は初めてだ。
ましてやこんなサメの渦など聞いたこともない。

水面でツムブリを突き、エラをガッと開いて息の根を止めた際、大量の血が吹き出て視界が濁った。
手で血の濁りを振り払ってふと下を見ると、あの電話ボックスサイズのサメが興味を持ったのかこちらにスーッと上がってきた。
幸い私の近くまで来てグオンッと身を翻して戻って行ったが、マジでキャンタマが縮まったものだ。

画像は私があの時の光景を思い出して合成したもの。
豆南調査で採集したイソマグロ、ガラパゴスザメ、クロトガリザメの標本写真を何個も張り合わせたものだ。
調査を手伝ってもらった海笊さんにも「そうそう、まさにこんな感じだったよ、(作るの)巧いね」と言われたので、
誇張でもなんでもなく本当にこんな感じだった。
左上のシルエットが素潜りで潜行して行った人間(つまり私たち)。サイズの比較をしてみてほしい。


孀婦岩―。それはまさに日本の秘境、絶海に孤独にたたずむ寡婦である。


写真
豆南諸島・孀婦岩(2010年7月)
D700 + AF-S Nikkor 14-24mm F2.8G

孀婦岩のイソマグロとサメ
D3 + AF-S Nikkor 35mm F1.4G, AiAF Nikkor 35mm F2D(合成)

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コメント

ご無沙汰しております。たしか日本の海は世界で一番多くの種が生きているのではなかったですかね?あの岩も想像も出来ないほどの多くの命を静かに見守ってきたことでしょう。これからも変らず静かにたたずんでいてほしいものです。温暖化や人的被害で沿岸の環境はどんどん変化していますがこういう神秘的な景色を拝見させていただくといっそう身近な海を大切にしなければならないと反省しました。

海洋生物の種の多さ(種多様性)が一番高いのは、
ホットスポットと呼ばれるインドネシアからマレーシアのあたりですね。

ただ、日本は黒潮の影響で熱帯・亜熱帯性の種、親潮の影響で寒帯性の種がそれぞれ温帯域に入り込み、
異なる起源の種が共存するという形でホットスポットとは別の意味での多様性の高さを示しています。

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