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栗岩

管理人  [ 栗岩 ]

国立科学博物館・博士研究員
(兼)
神奈川県立 生命の星・地球博物館
博士研究員(外来研究員)

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        2014-08-04       下甑島調査 2014(下甑島・鷹島)終了 -2

スジアラ&アオブダイ(頭)

鷹島から戻り、次の日から再び下甑島で潜る。
鷹島では休憩時間を除いても6時間以上も水深20mラインへの潜りを繰り返していたためか、
耳(耳腔)が炎症を起こしているのだろう、陸上にいても音が聞こえにくく、
潜るとリバースブロックになることが多々あった。

いつもなら一日寝れば治るのだが、今回はいつもより耳への負担が大きかったのか、二日かかった。
そのため二日間は無理をせず、潜る水深は10mラインまでにとどめ、時間も短めにして昼間と夕方の二本潜った。
ちなみに潜り漁師のTさんも同様に耳腔が腫れて痛みがあり、音も聞こえにくいと言っていたが、ハジメは全然平気とのことだった。

今回、神奈川県博からオスのアオブダイを標本用に頼まれていたので、島の地磯で1個体突いた。
エントリーしてすぐだったので、腰に付けたスカリに通して泳ぐのはダルいなぁと、フロートにぶら下げておいた。

大きな根の間で沖出しの流れがあり、そこから流されそうになったが、今日は無理をしないと決めていたこと、
50cmくらいの小さめのスジアラを1個体突いていたことから、もう上がろうと流れから抜け出し、エキジット。

マスクやフィンを置き、フロートのラインをたぐって引き寄せると、アオブダイは頭だけになっていた。
あちゃー、サメに食われたか。
いつ食われたんだろうと思い返してみると、沖出しの流れで根の間から吐き出されそうになった時、
グンッと強烈な力で体を持って行かれそうになったのを思い出した。
あれは流れではなくサメだったか。

アオブダイは70cmくらいあったし、体を持って行かれそうになった時もびっくりするくらい強い力だったから、
サメはかなり大型の個体だったと思う。
ちなみに数日前に下甑島の某所で、3mオーバーのイタチザメが漁師さんに目撃されている。
アオブダイを食ったのがイタチザメかどうかは分からないが、イタチじゃなかったとしても大型個体の可能性はかなり高いし、まぁおっかねぇわな。

私は普段は突いた魚はフロートにはぶら下げず、ウェイトベルトに付けたカラビナに、スカリに通してぶら下げているので、
サメに獲物を食われたのは実はこれが初めて。

夕方の2ダイブ目で、ハジメがアオブダイを捕ってくれ、それはすぐに船に上げたので、標本用アオブダイは無事確保。
ついでに頭だけになったアオブダイも一緒に入れて、神奈川県博に送付した。

下甑島・海

ハジメが山形へ帰り、後半は私一人で採集調査を続行。
昼間は私一人で潜り、夕方に仕事が終わったTさんと合流してもう一本、という流れ。

島周りはずっと激濁りが続いていたが、最終日近くになって所々ようやく濁りが取れてきた。
波打ち際はどこもまぁ綺麗なんだけどね。

実は昔から、下甑島で潜りたいと思い続けていたポイントがあった。
地磯エントリーで泳いで行くには遠すぎて無理、お世話になっているMさんの船でも漁協の管轄が違うので行けない。
今回、Tさんがその某ポイントの管轄漁協の知り合いのおっちゃんに頼んでくれて、初めて潜ることができた。

おっちゃんは潜りの人を乗せたことがないので、15分か20分くらいの短時間、しかもポンッとエントリーしてその下だけしか見ていないが、
予想通りものすごいポイントだった。もう何でもアリ。何でもいた。

下甑島・海

ボトムから水深5mほどまでせり出した棚に、テーブル状の平たい大きな岩が立てかかっていて、下がトンネル状になっている。
テーブル岩の上は水深15,6m、棚に立てかかった所で17,8m、ボトムはちょうど20m、そこからなだらかに深くなって行く。

棚の側面では大型のメジナがカーテンのような群れを作り、下からそれほど大きくないイシダイが数匹、こちらの様子を見に上がって来る。
テーブル岩の上では、60〜70cmくらいのヒラスズキが70〜80匹くらい、群れで回っている。
テーブル岩が棚に立てかかった所に降り、トンネルの右側を見ると、15kgくらいのクエがこちらを見ている(その後反転して消えた)。
トンネルの左側には、80cmオーバー(80後半あるか!?)のスジアラが4匹、ドン!ドン!ドン!ドン!と悠然と佇んでいる。
その周りには70cmくらいのスジアラが2匹、一回り小さい65cmくらいのスジアラが1匹、80cmくらいのクエが1匹。
なんじゃこりゃの世界。まるで竜宮城だ。

久しぶりに見たヒラスズキにときめくも(難なく射程に入れる)、それほど大きくないし、こいつらを打って他の魚が散ると困るので全スルー。
狙いは80オーバーのスジアラオンリーだ。
水面からだと見えないが、私がボトムに着くとスーッと姿を現す。しかもスレていないので、遠くへは逃げない。
さすがにここまで大型個体になると警戒心も強いが、それでも体のど真ん中から尾鰭にかけてであれば何度か銛の射程に入った。

ただ、結局一度も銛を打たずに見るだけにとどめた。
頭が射程に入っていたら打ったかもしれないけど、少し遠打ち気味になりそうだったし、
「致命傷を与えたにもかかわらずバラしてしまうこと」だけは絶対に避けたかった。
これだけ魚影がすごく、地元のTさんも数回しか潜ったことのない超級ポイント、そして私自身も昔から潜ってみたいと渇望していた夢のポイントだ。
下手に荒らすことだけは絶対にしてはならない。

80cmオーバー、まして80後半の可能性もあるスジアラなど、そう滅多にいるわけではない。
また、そのサイズにまで成長するのに数十年はかかる。
それを何も考えずに打ってバラすなど、愚の骨頂以外の何物でもない。
おっちゃんは「またこのポイントで潜りたかったら遠慮しないで言ってくれよ」ととても好印象だったし、
次回へのお楽しみということでいいんじゃないだろうか。

スジアラ狙いで潜っている最中、80cmくらい(8kgくらいか)のクエはずっとそばで私を見ていた。
銛の射程には入ってこないが、視界には入っている状態。やはり魚がスレていないんだろう。
このクエ狙いでもう少し粘っていれば、普通に捕れただろうね。
まぁこのポイントでクエを捕るなら、最低でも20kgクラスと、目標は高く持ちたいものだが。

ちなみにTさんが以前に潜った所は、私が潜った所から少しずれた所。
今回はモロに潮が当たっていたので入らなかったが、エントリーしたTさんの目の前に、20kgクラスのクエが3匹いたとのこと。

かなり潮流の速い所で、潜るタイミングがなかなか難しいポイントではあるけど、
船を出してもらえるツテもできたし、実際に潜って水中の光景を見ることもできて本当に良かった。
超一級ポイントである宇治群島や鷹島が霞むくらいの超超一級ポイント。
興奮が収まらずに息が上がる状態を経験したのなんて久しぶりだった。それほどの衝撃。
島に通い始めて16年目の大きな発見だった。

スジアラ

帰沖する前日、最後の潜りの日。
昼間は近場で軽く潜ったが、透明度も良く、魚影も濃く、いい感じだった。
スジアラは十数匹見たが、この日も銛の腕の精度が悪く(前日は良かったのに)何匹も外し(バラしたのではないのが救い)、
また70cmくらいの大型個体をロックオンしてまさに今打とうとした瞬間に、そばでアオブダイがブンッと逃げてその音で逃げられたりとうまくいかず、
結局55cmくらいの小型個体を2匹捕るにとどまった。

夕方、Tさんと合流してラストダイブ。
オオモンハタが多いという通称オオモンランドへ。
砂地が一面に広がる中に大きな隠れ根が点在する場所だが、魚がいる水深は深く、最低で水深20mライン。
大きなうねりが入っていて、二人で波酔いしながら潜る(Tさんは波酔いで吐いていた)。
Tさんはオオモンを数匹見たが捕れず、私はオオモンは見つけられずに水深20mでアカハタを捕って終了。

陸に上がって着替えをすませ、軽トラの荷台の荷物を片付けていると、漁師仲間の一人が来たので立ち話。
このうねりは台風12号のものらしく、明日のフェリーは朝イチの1便は出るだろうがその後の高速船と2便は欠航になるだろうとのこと。
台風12号!?11号がまだ南海上の遠くにいるのに!?
急いでTさんがスマホの天気予報を見てみると、なるほどこれはまずい。
高速船で帰る予定だったが1便に乗ることにして、急いで宿に戻って荷造りをする。
1便だと宅急便の事務所がまだ開いていないので、荷物と伝票をTさんに預け、私が島を離れた後に宅急便の事務所が開いてから出してもらうことに。
次の日、バタバタしながらも何とか1便に乗り、ギリギリで沖縄に戻って来れた。

結局、島周りでは5日間潜ってスジアラ9匹、という結果だった。
1ダイブで4匹捕った時もあったが、1匹も捕れずに終わった時も。
ただし、1匹も捕れなかった時はスジアラ自体がおらず、私だけでなくTさんとハジメも目撃せずという状態で、
スジアラがいるポイントであれば何とか最低でも1匹は捕っていた。

まぁ大きい個体は捕れなかったし(最大個体でも65cmくらい)、銛の腕の精度がもう少し良ければ数も倍は捕れていたという感じなので、
ちょっと調子悪かったなぁという感は否めない。
ただ、調査の目的であるスジアラの数集めは、Tさんとハジメの協力のおかげで目標数に達したので、結果オーライかな。

昨年の宇治群島に続き、今回は鷹島でも潜ることができ、さらに件の超級ポイントの開拓に成功と、今後の下甑島遠征が楽しみで仕方がない。
魚突きより面白い趣味なんてねーよな。
ビールを飲みながら、そんな話をハジメとしていた下甑島調査2014、これにて終了。

写真
鹿児島県 下甑島
D700 + AF-S Nikkor 35mm F1.4G

        2014-08-02       下甑島・鷹島調査 2014 終了 -1

鷹島(南から見た全景)

下甑島調査が無事終了、台風11号12号が直撃する前にギリギリ戻ることができた。
16年前から通っている下甑島、学生時代は長期キャンプしていたものの、最近は数日間の滞在が続いていて、1週間もいたのは本当に久しぶり。
そして今回は、16年目にして新たな、かつ大きな発見もあり、非常に有意義な調査となった。

私はスジアラの採集調査として日程を固定、マッコウとハジメがそれぞれ休みを取って途中まで同行し、
その代わりに二人が捕ったスジアラの鰭をDNA解析用に分けてもらうことにしていた。
しかしマッコウが仕事の都合で直前のキャンセルとなり、私とハジメの二人で渡島することに。

島では潜りの漁師であるTさんがほぼずっと付き合ってくれ、鷹島へは昨年の宇治群島遠征同様にMさんの船を出してもらい、
同様に島の漁師であるHさんが今回も乗り子として同乗してくれることに。

最初の二日間、島の地磯で潜るも、東シナ海の北方を北東方向に進む台風10号のうねりが入り、
また激濁りで透明度も非常に悪く、三人でスジアラを7個体捕るにとどめた。

そして三日目、いよいよ下甑島の南西約30kmにある無人島群、鷹島へ。
(津倉瀬へ足を伸ばすことも考えていたが、鷹島のみとなった)

鷹島(北西から見た全景)

北西から見た鷹島の全景。
大小5つの島からなる無人島群で、西側の3島、東側の2島の間は水路状に、
また西側も東側もそれぞれ北と南の島間で細い水路状となっている。
そしてさらに南の沖に二つ、水面に顔を出す小さな根がある。

参考 Wikipedia (別ページへジャンプ) http://ja.wikipedia.org/wiki/鷹島_(鹿児島県)

鷹島(南西から見た風景)

波長の非常に長い大きなうねりが当たっていて、船上では船酔いに、海面では波酔いに苦しめられた。

鷹島(西から見た風景)

見る方角によってまったく違う姿を見せる鷹島。
うねりの当たる場所は潜ることができず、潜りたいと思っていたポイントすべてに入ることはできなかったが、
それでも鷹島の概要は掴んだし、丸一日楽しむことはできた。

鷹島(東から見た風景・北側)

鷹島の概要だが、ざっくり言うと、下記の通り。

(1)とにかく深い。果てしなく深い。
宇治群島も深かったが、それでも浅場がちょこちょこあった。
しかし鷹島はドン深の場所ばかりで、水深 17 〜 18 m が最低ライン、基本的に水深 20 m ライン以深での勝負。
潮流は今回はそれほど速くなかったが、常に流れている。速い時は激流で、川のようになるとのこと。
まさに上級者向けのポイントだろう。

私たちも水面ではうねりに苦しめられ、潜れば深く入らざるを得ずと、大いに苦戦した。
大物がいても、深すぎて手が出ないという場面も何度かあった。
透明度が良かったのはせめてもの救い。

鷹島(東から見た風景・南側)

(2)思ったよりスジアラは少ない、逆にクエは多いかも。
下甑島も宇治群島もスジアラは多いので、鷹島も同様かと思っていたが、意外なことにスジアラは少なかった。
ただ、最後に潜ったポイントでは、水深 25 m ラインより下に大型の個体がたくさんいたとのこと。
小さな無人島群ではあるが、スジアラの多いポイントと少ないポイントがあり、その水深はともに概して深い。
結局、私が1個体、Tさんが5個体捕ったのみ。

クエは4個体目撃された。
そのうち私が1個体(12.5 kg)、Tさんが1個体(8 kg)捕った。
1個体は私がバラし(私とハジメが目撃、10 kgくらい)、残りの1個体は私が見たのみ(20 kgくらい)。

鷹島(南にある離れ磯・根を望む)


(3)全体的な魚影は非常に濃い。
その他の魚に関しては、イシダイやハマフエフキはむっちゃたくさんいた。
(今回はターゲットにしていなかったのでほとんどスルーしたが)

アカハタはなぜか少なく、私たちが潜っている間にMさんとTさんが船から釣りをしていて1個体釣れたのみ。
私は4個体捕ったが、どれもまぁ深かった。

クエ 92 cm / 12.5 kg

クエ 92 cm / 12.5 kg。
ちょっと痩せ気味の個体だったが、まぁいいだろう、捕れれば!

今回は手銛の精度が悪く、ヒラマサとカンパチを何度も外し(かすりもしないとか、背鰭を打ってバラすとか)、
スジアラも二度打ちしてやっと捕れるという低落ぶり。
そのため、最後になってやっと訪れたこのクエは、思いっきり銛先を近づけて打ち込み、一発であげた。
見つけた場所もシチュエーションもドンピシャ狙い通りだったので、まさに会心の一撃だった。

クエ 92 cm / 12.5 kg

鷹島での突果

<突果>


クエ × 1(12.5 kg・92 cm)、スジアラ × 1、アカハタ × 4
ヒレナガカンパチ × 1、イシダイ × 1、ハマフエフキ × 1

ハジメ
ヒラマサ × 2、ヒレナガカンパチ × 6

Tさん
クエ × 1(8 kg)、スジアラ × 5、イシダイ × 2

- 続く -

写真
鹿児島県 鷹島
D700 + AF-S Nikkor 35mm F1.4G

        2014-07-23       下甑島調査 2014

下甑島・鷹島・津倉瀬

今晩鹿児島へ発ち、明日から月末まで、下甑島での採集調査。
目的はスジアラのサンプリング。
潜りの漁師さん(Tさん)と、昨年の宇治群島遠征でも船を出してくれた漁師さん(Mさん)、
二人にお世話になりながら、島の地磯を中心に潜る。

一日だけ遠出をして、鷹島(たかしま)へ行く予定。
下甑島からも遠くにうっすらと見え、宇治群島へ行く途中にも見える小さな無人島群で、今回初めて行く場所。
その先には津倉瀬(つくらせ)というまた別の、もっと小さな無人島群もある。
ここにも足を伸ばしたいところだが、台風10号のうねりが入りそうで、津倉瀬どころか鷹島も行けるかどうかちょっと怪しいところ。
まぁ海況次第だね。

鷹島は釣り人がたまに入るだけで、潜りに関しては手つかずなので、スジアラの魚影も濃いのではと思っている。
もちろん他の大物も。
ちなみに鷹島(&津倉瀬)までの傭船料は私費で。あくまで調査は下甑島なので。

未踏の草垣群島はもちろん、昨年行った宇治群島へもまた行きたいが、とりあえず今年は下甑島に集中して海況が良ければ鷹島へ、
さらに条件が整えば津倉瀬も、という感じ。

ということで、月末までしばらくブログはお休みします。

        2014-07-20       今のはメラゾーマではない。メラだ。

南大東島

ここ数日、台風10号の動向にやきもきさせられていた。

来週から下甑島へスジアラのサンプリングに行く予定だが、台風10号がぶつかりそうだったからだ。
出発日あたりに沖縄が暴風圏内の東に入りそうで、そうなると行きの飛行機が飛ばず、
日程を一日あるいは数日、短縮することになる。

それだけならまだいいのだが、北西あるいは北北西へ進む台風の予想進路が東へ曲がると、
つまり沖縄から九州方面へ進むことになると、日程の短縮どころではなく調査自体が白紙になってしまう。

南大東島

今日の夜の気象予報を見てみたところ、台風10号は当初の予想進路通り北北西へ向かっており、速度も少し早まったようだ。
この分だと計画通りの日程で行けそうな感じ。
まだ予断は許さないが大丈夫な気がする。

南大東島

写真
南大東島の風景
D700 + AF-S Nikkor 14-24mm F2.8G

        2014-07-15       南大東島調査 2014 終了

南大東島 ヒメハイビスカス

無事に調査から戻り、今日から仕事復帰。
2週間近く不在にしていたので、書類やらメールの返信やら苦手なことばかりが溜まっていて、それらを片付けることで一日が終わった。

肝心の調査だが、7月頭、南大東島に渡った日に、日本の気象庁より情報が早い米軍の気象予報ページで熱帯低気圧が発生したことを知る。
その後、熱低は台風(8号)となり、南大東島直撃コースで北進してきたが、徐々に進路は西に逸れ、沖縄本島直撃コースへ。

かなり近づいた状態でも勢力は衰えず、中心気圧 910 hPa。
あぁ‥‥。ベランダに物が出しっ放し。終わった‥‥。

長期不在にする時はベランダに物は置いておかないようにって不動産屋にあれほど言われていたのに、ついうっかりしていた。
ベランダの隣室との仕切り板が吹っ飛んだり、外置きの洗濯機が吹っ飛んだり、外では車が横転したりする沖縄をナメてましたよすみません。

ベランダに置いておいた物が吹っ飛んで、部屋の窓ガラスを割っていないことを祈りながらの調査となった。

南大東島 海軍棒

南大東島に到着した日。よく凪ぎて最高の海日和。
移動日などを除く丸々8日間の調査のうち、5日間潜り、2日間はタイドプールでの採集と漁港内での潜り、
何もできなかったのは1日だけだったというのは幸運だったと思う。

南大東島 亀池港

台風が近づき、海が荒れ始める。
南大東島は暴風圏内の端っこに入ったくらいだったので、風は強かったが、沖縄本島や宮古島で観測された風速 50 m などという馬鹿げた数値は出ず、
雨もほとんど降らなかった。

んなみ

後輩にカメラを渡し、海の近くまで行って波を見ていたら、急にデカイ波が‥‥

んなみ

逃げるも間に合わず、頭から波を被る。

んなみ

引き波でさらわれそうになるも、必死に、マジで必死に踏ん張る私(笑)。
海の藻屑にならずに済んだ。
いや結構マジで危なかったんやで〜

南大東島 調査メンバー

さいぞうさんが途中から参加予定だったが、ちょうど台風と重なってしまったのでキャンセル。
科博・琉大・鹿大(鹿児島大)の5人での調査となった。

南大東島 快晴

調査はほぼうまくいったと言っていいと思う。
2回目の調査にも関わらず前回と同じくらいかそれ以上の新たな種数を採集し、日本初記録種も出た。
データをまとめるのが大変だが、嬉しい悲鳴だ。

前回と今回の調査で、南大東島の浅海性魚類相の概要がようやくはっきりしてきた。
この島の海の特殊性は以前よりいろいろと指摘されていたが、ようやくそれらを科学的根拠・データに基づいて示すことができる。
そしてこの島の海は、南日本における魚類相形成史を明らかにする上で重要な鍵となるはずだ。

南大東島 夜空

11日夜、島から戻り、自宅前の駐車場で車が無事なのを確認。
2階の自分の部屋を見ると、無人のはずなのに電気がついている‥‥。
ヘビのケージのサーモスタットが台風による停電ですべてリセットになり、
繋いでいた蛍光灯が夜に点いて朝に消えるようになっていたのだった。
停電は丸一日近く続いていたようだ。

まぁそれは別にいいのだが、残念なことにGTPが死んでしまっていた。
不在時のことだけに原因も分からず、かなり気に入っていた個体だけに非常に大きなショックを受けた。
気温が高いので腐敗も進んでおり、ケージの中身はすべて廃棄、ケージ自体も腐敗臭がしみ込んでしまっていて、
今も漂白剤に浸けて殺菌中だ。

今回はそれほど長い期間の調査ではなかったが、やはりトカゲやカメ、カエルなどこまめな餌やりとメンテナンスが
必要な分類群は飼育できないことを再確認した。
ヘビはそれらに比べれば放ったらかしでも大丈夫だと思うが、それでも安心はできないんだなぁ‥‥。
つくづく、生き物の飼育は難しい。

写真
南大東島の風景
D700 + Nokton 58mm F1.4 SL II, Distagon T* 2/35 ZF, AF-S Nikkor 14-24mm F2.8G

        2014-07-01       南大東島調査 2014

大東諸島

明後日2日から11日まで、南大東島での採集調査。
調査の目的は二つあって、一つは科博・琉大(私)・筑波大の共同研究、もう一つは琉大(私)・科博・神奈川県博・鹿大の共同研究のためのもの。
ただ、今回の採集調査自体は科博・琉大・鹿大の研究者のみ(学生含む)で行う予定。

以前にも書いたかもしれないが、沖縄地方の呼称として「南西諸島」があるが、これは行政上(官製)の呼称であり、
地質学および生物学における学術用語としては「琉球列島」を用いる(目崎, 1983; 瀬能, 2012)。
琉球列島は薩南諸島(種子島・屋久島)から八重山諸島までの琉球弧上の島嶼群を指し、尖閣諸島と大東諸島は含めない。

北大東島・南大東島・沖大東島の三つの島嶼から成る大東諸島は、約4,800万年前の始新世にニューギニア島付近で隆起して形成され、
フィリピン海プレートに乗ってそのまま北上、現在の位置にある。そして約200万年後には琉球海溝に沈むと考えられている。
つまり、これら三つの島の寿命、形成から消滅までは、ちょうど5,000万年ほどということになる。

大東諸島は伊豆諸島や小笠原諸島と同様に一度も大陸と繋がったことのない海洋島であり、
島の形成史だけでなく、その環境と生物相も琉球列島の島嶼群とは異なっている。
なお、北大東と南大東は有人島だが、沖大東は民間会社所有の島で米軍の射撃訓練場となっており、一般人の渡島は禁止されている。

2年前の2012年に、初めて南大東島の調査を行った際、研究資料として南大東村誌という厚さ約 7.5 cm にもなる本を購入した。
ざっと読み進めていて初めて知ったのだが、大東諸島を開拓した人は、「あの」八丈島の玉置半右衛門だった。
「あの」としたのは、この玉置半右衛門こそ、豆南諸島の鳥島を開拓した人だったからだ。まさかこんなところで繋がるとは。
なるほど、確かに八丈島と南大東島の間ではいくつも交流事業があるほか、南大東には伊豆諸島の名産である島寿司も伝わっているようだ。

南大東島のシーサー

荷物の大半は先週のうちに送っていて、既に現地に到着済みだが、今回はPicassoのフィンだけでなくGFTのフィンも送ってある。
GFTは購入以来あまり使っていないので、たまには海水に浸けてあげないと。
海は非常に透明度が高く、水温もちょうどいいくらいなので、海況さえ良ければ気持ち良く泳げるだろう。

南大東はあまり大物を狙う島という感じはしないし、そもそもこの採集調査でのメインターゲットは小型種が中心だけど、
何かめぼしいのがいたら捕るつもり。

写真
南大東島・海軍棒のシーサー(2012年6月末)
D3 + AF-S Nikkor 35mm F1.4G

        2014-06-23       おきんたまでかおです

Insect Pins

科博にいた時は標本作製用の道具は私物ではあまり持っていなかったが、
琉大も水試もあまりそういった道具が揃っておらず、作業が滞ることがよくあり、
また必須の道具が無くて非常に困るケースも出てきているので、少しずつ私費で購入して揃えている。

とりあえず喫緊で必要なものはいくつもあるが、金額がそれほどかからないものからということで、
インセクトピン(魚体の鰭立てに必要な昆虫針)を新調した。

以前の記事にも少し書いた志賀昆虫普及社から6サイズ(微針〜6号)と、チェコスロバキアのENTO SPHINX社から1サイズ(7号)。
それから前者の収納箱。

Insect Pins

微針100本、00号・0号・2号・4号・6号を各300本、7号を200本購入。
ちょっと、いや明らかに買い過ぎた‥‥。
科博の時のようにそれなりの人数で鰭立てをするにはこのくらいの数が必要かもしれないが、私一人分としては多すぎる。

収納箱に入れ終わって思わず苦笑い。
まぁ全部は入りきらなかったんだけど。

7号針は科博時代にも使っていなかったので初めて扱ったが、長さが他の号より長く、
この収納箱はおろかフィルムケースにも入らないのは誤算だった。
ピンセットを入れてある場所に、写真では4本入れてあるが2本にし、ここに7号針を半分だけ(100本)入れた。

先日、新調したこれらの針を使って標本作業をしてみたところ、非常にはかどった。
購入数などいくつか不備はあったが、新調して満足している。

写真
D700 + Voigtländer Nokton 58mm F1.4 SLII

        2014-05-03       肛門「誰だ!」 うんこ「屁です」 肛門「よし通れ!」

孀婦岩

GWは国民の休日!
そんな風に考えていた時代が、俺にもありました‥‥。

ホントはGWを使って沖縄本島の沿岸をゆっくり車で回り、潜るポイントを見てみようと思ってたんだけど、
観光客も多いし渋滞もひどいと言われ、溜まっている仕事と、それから久しぶりに読書三昧でもすることにした。

この四日間、かなり頑張ったおかげでだいぶ仕事を片付けることができた。
明日は一日だらだらしながら本でも読もう。

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先日、科研費申請の審査結果の開示があったので見てみた。
う〜ん、あと一歩だった感じ。

私が申請した細目全体での採択率は29%で、不採択となった残り71%の中で上位20%に入っているとのこと。
点数も採択と不採択のボーダーラインという感じ。

4人の匿名の審査員のうち、3人はまずまずの点数をつけていたけど、一人がある項目で「やや不十分」または「不十分」と判断していて、
結果的にそれで採択に至らなかったようだ。

不採択になったのは残念ではあるけど、審査内容の結果開示は今後に非常に役立った。
過去、スタートアップで不採択、若手(B)で採択になったけど、どちらも審査内容を見ていなかったので、今回はその点では良かった。
運不運はもちろんあるが、まぁ誰に審査されても余裕で採択されるくらいにならないとダメなんだろう。

今年の10月にまた来年度用の申請がある。
やりたい研究はいろいろあって、次回は違う分野・内容で申請することも考えている。
その場合は豆南はしばらくお預け。

写真
豆南諸島・孀婦岩(2010年7月)
D3 + AF-S Nikkor 50mm F1.4G

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