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栗岩

管理人  [ 栗岩 ]

国立科学博物館・博士研究員
(兼)
神奈川県立 生命の星・地球博物館
博士研究員(外来研究員)

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        2012-08-14       オエーー

アオスジモンガラ

連日、青ヶ島・須美寿島で採集した魚の標本処理を進めているが、須美寿島で赤間さんが釣ったアカハタの口の中から、
モンガラカワハギ科の幼魚がゴロッと出てきた。大きさは全長3.7cm。

島の際を少し離れるとすぐに水深が深くなる豆南諸島であるから、
釣り上げた魚食性の魚が、飲み込んでいた餌の魚を吐き出すことはたまにある。
前回2010年の調査でも、吐き出されたヒメテグリとキンチャクダイ科sp. の幼魚をそのまま標本として登録している。
ただ、どうしても体の一部が消化されてしまっていることが多く(特に各鰭)、きれいな標本にはなりづらいことがほとんどだ。

だが今回のモンガラは、粘液に包まれていたものの各鰭はまったく消化されておらず、完全体。
問題は、同定しても既知種に落ちないことだった。
(ただ、日本で報告のある種としか照らし合わせていない)

モンガラカワハギ科でやっかいなのは、幼魚と成魚で色彩が異なる場合が多く、幼魚がどんな模様なのか知られていない種もいること
(逆に成魚がどんな模様なのか知られていないものもある)、
それから幼魚と成魚で分類に用いられる計数形質が変化する場合があるということだ。

私のボスがフグ目の専門家なのだが、今はちょうど与論島に採集調査に行っている。
このモンガラの写真をメールで送り見てもらったところ、思い当たる種はいないが、詳しくは標本を手に精査する必要あり、との答え。
出張から戻り次第、見てもらうことになった。

今回のモンガラで考えられるのは、下記の3通りだ。
(1)幼魚がどんな模様か知られていなかった既知種
(2)既知種だが日本初記録(海外では報告のある種)
(3)未記載種(つまり新種)

(1)の可能性もあるが、豆南諸島は魚類学者の手の入っていない未踏の海域であるから、(2)(3)の可能性も十分ある。
実際、レグルスの加藤さんが須美寿島で深場に潜った際、未記載種である可能性がかなり高いウツボと、
未記載種である可能性のあるハナダイの仲間を写真に撮っている(神奈川県博の瀬能さんの同定)。
残念ながらそれらは写真だけで標本はないため、未記載種であってもどうしようもない。
しかし、件のモンガラは標本があるため、もし(2)か(3)であれば論文にできるわけだ。

結論は後日。

(2)か(3)だった場合、論文がパブリッシュされる前に写真をここに出すわけにはいかないので、
代わりに前回の調査で孀婦岩で捕ったアオスジモンガラを。
この種は普通は結構深いところに生息しているのだが、なぜか孀婦岩では水深数mのところでも見られた。

写真
フグ目モンガラカワハギ科アオスジモンガラ(豆南諸島・孀婦岩) Xanthichthys caeruleolineatus
D3 + AF-S Micro Nikkor 60mm F2.8G

        2012-08-10       一足遅かった

ニライカサゴ

6月末の南大東島調査と7月末の青ヶ島・豆南諸島調査で採集した魚は、できるだけ早く標本処理を終えてどんな種類をどれだけ捕ったのかまとめ、
それぞれ沖縄県庁と東京都庁に報告書を提出しなければならない。

ところで、毎週木曜は魚類研の全員で冷凍保存してある魚を標本処理する日になっている。
昨年は移転があったために標本処理が進まず、処理待ちのものがかなり溜まってしまっている。
昨年6月に行った小笠原採集調査で持ち帰った膨大な量の魚もそのうちの一つだ(アカハタのみ既に処理済み)。
ただ、小笠原のものは特に報告書を提出する必要はないため後回しにして、先に南大東と青ヶ島・豆南のものを処理するつもりでいた。

今朝、起きて時計を見て、ファッ!?と叫んだね。
さらに出勤して作業部屋に入って、もう一回ファッ!?と叫んだわ。

何を言いたいかというと、1時間半遅刻して出勤したら、南大東や豆南のものではなく小笠原のものが大量に解凍されていたって話なんだけどね・・・

写真
カサゴ目フサカサゴ科ニライカサゴ(小笠原群島・聟島列島・嫁島) Scorpaenopsis diabolus
D3 + AF-S Micro Nikkor 105mm F2.8G

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